【 インターンシップ 】 2010.8
インディアン祭りの前週、金高生1名と金中生3名をインターンシップで受け入れました。初日、二日目と少しずつ幼稚園生活に慣れてきて、園児とのやりとりもスムーズに成りかけてきた時です。「今まで何日かやってきて、良かったことや困ったことはないかな?」と聞いてみました。
すると「幼稚園の子ども達が何人も同時に群がってきて、『おねえちゃん、手つなごー』と言われて困った」とか「やめてって言ってるのに、砂をかけるのをやめてくれなかった」とか「年長さんと鬼ごっこをしてるときに年中さんにブランコ押してと言われて断り切れずに途中でブランコ押してたら、年長さんに怒られた」とか「遊ぶ順番を決めるのに困った」とか「ケンカの時に当事者同士がなかなか話をしてくれずに困った」とか、初めて幼児と関わる中で、一見楽しく遊んではいるものの、大人社会では当たり前のように通じるルールや常識が通用しない、子ども社会のストレートさにたじろぎ、困惑している彼女達の姿が伝わってきました。
そこで、「例えば、中学生の仲間同士でバレーボールをしている時に、突然、違うグループから『サッカーやろうぜ!』と誘われたら、どうする?」と聞いてみました。すると「当然、バレーを続ける」と返ってきました。「そうだよね。バレーをやってるのに、急に誘われたからってサッカーに鞍替えしないよね。そこは幼稚園の子どもでも中学生でも同じだよね。鬼ごっこしている時に、ブランコ押してと言われたら、『今は鬼ごっこしているからできないよ』とキチンと伝えよう。できないことは『できない』、してはいけないことは『ダメ』って、しっかり相手の目を見て、真剣に伝えること。これは無理な要求をしてくる子ども達の問題ではなくて、『できない』ということをキチンと伝えていない君達自身の問題だよ。砂をかけるのをやめないのは、そんなことされたら『イヤだよ』というあなたの気持ちがちゃんと伝わっていないからだよ。それはあなた自身の問題です。」と伝えておきました。
その日の夕方、実習の最終日を終えて「今日はどうだった?」と聞くと「今日は、勇気を持って『ダメなことはダメ』と目を見て伝えることができた。そしたら子ども達も聞いてくれた。何か昨日までの私と雰囲気が違うと感じたのかもしれない」とか「ケンカの場面で、周りにいた子ども達にも話を聞くことができたので、その時の状況をくわしく知って、対応することができて良かった。」とか「遊びの順番をどうやって決めるかを子ども達と話し合って決めていった。そうすると話し合い自体が遊びのようになって楽しかった」など、実に様々な場面で、中高生なりに解決方法を考えながら、自分自身の意思をもって取り組んでいる様子が伝わってきました。
「今回のインターンシップで、ただ優しく全てを受け入れるということではなくて、必要な時はキチンと絶ち切る『勇気』を体験することができたね。それは、みんなのお父さんやお母さんがみんなに対して、怒ったり、小言を言ったりするのと同じだよ。お父さんもお母さんも、できれば言いたくないけれど、言わなくてはならないことは、勇気を持って、君達に伝えているんだ。そうやってガンバって伝えている側の思いも感じて欲しいと思います。ただ優しく全てを受け入れるだけが愛情じゃなくて、時に強く断ち切る勇気も必要だということを今回の実習から感じてもらえたらうれしいです。」といって締めくくりました。
いつかこの中高生達がお母さんになって、自分の子どもとしっかりと向き合える大人になってもらいたいと願っています。
最後の実習生代表のあいさつで「だめだ、涙がでてきちゃう」と泣きながらもしっかりと私達にお礼の言葉を伝えてくれた金高生の姿に胸を打たれました。幼稚園の子ども達は、実に深い学びと感動を「思春期の迷える先輩達」に与えてくれるのです。