【 3R 】 2008.11

今から12年前、幼稚園の入り口にあるゴミステーションを建て替えました。その時、ゴミステーションの前面に3Rの看板を取り付けました。3Rとはリデュース(減らす)、リユース(再利用)、リサイクル(再資源化)の頭文字をとったもので、まずはゴミを減らし、無駄なく使い、まだ使えるものはお下がりやお古で再利用し、最後はリサイクルしてもう一度資源として活用するという、循環型社会の基本的な考え方です。

さる23~26日にかけて第3回全国3R推進全国大会が山形県を会場に開催されました。田中邦衛さんのトークショーや環境やまがた展、映画「アース」の上映など、実に多彩な内容でした。その中で、環境省中央環境審議会循環型社会計画部会という大学の先生や環境ジャーナリストなどの専門家がこれからの循環型社会のあり方について話し合う場に、めばえ幼稚園が事例発表者として招かれました。山形の先進事例の1つとして取り上げられたのです。我々の他には長井市のレインボープランと新庄市の食品トレーリサイクルが事例発表を行い、その後、審議会メンバーの質問に答えるというものです。審議会メンバーは10名足らずですが、その後ろに傍聴者として、全国から200名ほどの参加者がいたので、大変緊張しましたが、日頃の子ども達の活動や幼稚園で取り組んでいるBDF(てんぷら油を車の燃料にする)の話をしてきました。BDFは全国各地で取り組まれているので今更なにも珍しくはないのですが、めばえ幼稚園を取り巻く環境の素晴らしさに審議会の先生方は驚かれていたようです。またこんな小さな幼稚園がスウェーデンの幼稚園と研究交流していることにも大変関心をもたれました。

その中で「自然の中で遊んでいる子とそうでない子の差はありますか?」という質問がありました。私は「スウェーデンの研究グループで、同じような園児数、保護者の所得や知的レベルが同じくらいの2つの幼稚園の比較研究があります。1つは自然環境に恵まれ、いつでも林の中で思い切り遊んでいる幼稚園の子ども達と、もう1つは都会の幼稚園で主に部屋の中で遊んでいる子ども達との比較研究です。その中で、知力・体力とも自然の中で遊んでいる子ども達の方が数値的に高い結果が出ました。そればかりでなく、人の話を落ち着いて聞くことができるとか、仲間との信頼関係を築くことができるという精神面やコミュニケーション能力も自然の中で遊んでいる子ども達の方が優れていることが実証されています。ただ僕自身は研究者ではなく実践者なので、このように何でも数値に示すようなやり方に違和感を覚えています。数値で証明しなければ認めないというような社会風潮そのものが子どもの健全な成長を阻害しているのではないでしょうか。子どもの内面的な成長は数字にすることはできません。しかし、一緒に生活していれば確実に感じられるものです。そのような感性が我々大人に求められているのであり、数字でしか証明することができないと思っている感覚自体を変えなければならないと思っています。」とお答えしました。質問された方は苦虫をつぶしたような顔をしていましたが、実際、様々な学会で発表した時も「数字で示してください。」とか「コスト面はいかがですか?」というような質問に多くぶつかるのです。そんな時にいつも「子どもは研究の対象ではなくて、今を共に生きながら、一所懸命に成長している一人の人間なんだ。」と伝えたくなるのです。

全国的に3Rを推進すればするほど、ペットボトルの販売数は増えて、リサイクルされる量は増えても、結果的にゴミとして捨てられる量やエネルギーの消費量は増えているそうです。本当に大切なのは数値化したり、マニュアル化された3R運動をただ闇雲に推進することではなく、目の前の出来事を自分の頭で考えたり、心で感じたりすることなのでしょう。そんな当たり前のことを、子ども達は毎日の生活の中で私たちに教えてくれます。

最後になりますが、スウェーデンの研修結果を報告書にまとめましたので、配布させていただきます。どうかご一読くださり、感想等を聞かせてください。