【 赤ちゃん 】 2008.1.30

先日放映されたNHKスペシャルで「赤ちゃん」に関する特集をしていました。ご覧になった方もいらっしゃると思いますが、ここで少し紹介してみたいと思います。

まず、脳内の情報伝達物質であるシナプスですが、なんと生まれてから1歳までの間に成人の倍ほどの量が生産されているということです。それだけ脳の中が活性化していて、生まれたばかりの赤ちゃんは韓国語の本当に微妙な発音の違いも聞き分けることができるほど、どんな言語にも対応できる状態なのだそうです。しかし数ヵ月ほど経つと次第に必要のない能力を切り捨てていき、生きていく上で必要な能力だけを残して伸ばしていきます。つまり生まれたばかりの赤ちゃんはどんな言語でも聞き分けて生きていくだけの能力を持っていながら、あえて不必要なものは切り捨て身近な環境に必要なものだけ残していくのです。日本語で育つ子どもはやがて韓国語の微妙な発音には反応しなくなっていきます。

さらに言語でいくと、全く中国語を話さない家庭で育つ赤ちゃんに、①ビデオ教材で中国語を教える、②ビデオ教材と同じインストラクターが同じ言葉、同じ道具で直接教える、③全く教えないの3通りで比較したところ、①と③の子は全く学習効果がでませんでしたが、②の直接インストラクターが教えた子どもだけは学習効果がでました。ビデオ教材を見ていた子も非常に興味を持ち、テレビ画面に食い入るように見ていたのですが、効果はなかったのです。人が直接教えることでしか伝わらない何かを赤ちゃんは感じているのでしょう。

 次に運動面ですが、9ヶ月になってもハイハイがうまくできなかった赤ちゃんが、同じ年頃の子ども達と遊ぶ中で、つかまり立ちをしたり、立って歩いている他の子を見たことで、ハイハイを練習し始め、やがてできるようになっていきました。その子は以前、お座りができなかった時も同じ年頃の子ども達と遊び刺激を受けたことでできるようになっていったそうです。

 このように言語能力にしても運動能力にしても、赤ちゃんは周りの人と直接関ることで刺激を受けながら自分のものにしていきます。これは幼児期の子ども達にも共通しており、この時期の子ども達は、全身が感覚器官のように常に周りの情報を体全体で感じながら、「まねる」ことで取り入れ、何回も何回も繰り返し遊ぶことで自分のものにしていきます。

「人は群れで暮らす」という原点に立ち返りますと「子どもは群れで育つ」という当たり前のことが見えてきます。大人も子どももたくさんの人とのつながりの中で、直接関りながら自らの心と体を育てていくのですね。