【 石油ピーク 】  2007.11.29

 最近、寒くなってきましたね。いよいよ冬本番といったところでしょうか。ところで、皆さんのお家の暖房の燃料は何ですか?薪、ガス、電気など様々ありますが、その多くは灯油ではないでしょうか?現在の灯油価格は93円/ℓと昨年の倍ほどの価格になっています。灯油ばかりでなくガソリンや軽油も値上がりを続けていますので、家計に与える影響も大きくなってきたのではないでしょうか?

 その灯油、ガソリン、軽油などの原料である石油には限界があるというのは皆さんご存知だと思います。石油が枯渇するのは40数年後などと言われています。しかし最近耳にした「石油ピーク」という言葉は聞き慣れませんでした。「ピーク・オイル」など様々な呼び方があるようですが、要するに石油の生産量にはピークがあり、それ以降は採れる量が減ってくるということです。そのピークは2004~2010年で、もう既に生産量は減り始めているという説もあります。石油が枯渇する前に、採れる量より使う量が多くなった時点で世界的な問題が起きるというのが「石油ピーク」の指摘です。事実、石油の使用量は、北京オリンピックを迎える中国やインドを初めとしたアジア諸国、それに加えてアメリカでも増えています。ちなみにアメリカは世界人口の4%しかいないのに、世界の4分の1のエネルギーを消費しています。

 石油というのは油田が見つかって初めて掘り出すことができます。油田発見のピークは1964年で、それ以降は見つかる油田の数は少なく大きさも小さくなっています。現在世界中で使っている石油は300億バーレル/年ですが、見つかっている油田はその4分の1に満たないということです。つまり見つかる石油の量の4倍の量を我々は使っていて更にその量は増えているということです。また、今ある油田にもそれぞれピークがあって、そのピークを過ぎると生産量が減ってくるそうです。その上、初めに採るのは質の良い石油で、後から採れる石油はだんだん質が悪くなってくるそうです。

つまり結局のところ、このまま石油の使用量が増えていって、生産量を超えた場合、今までのように石油が手に入らなくなるということです。高くて乏しい石油の時代がやってくるということです。世界中で今よりも激しく石油の奪い合いが始まるのです。

ガソリンの価格が500円/ℓ になり1,000円/ℓになった時に、今まで通り車に乗ったり、トラクターを運転したり、暖房に使ったりできるでしょうか?これはかなり難しくなると考えるのが一般的でしょう。こうなると地球温暖化というものも根底から考え直さなければならなくなります。つまり地球を暖める主原因である石油がなくなるのですから温暖化も進まなくなるのです。しかし、どちらにしても現在のような大量生産、大量消費、大量廃棄の生活は維持できなくなるという点では一致しています。

自然エネルギーをはじめ石油に変わる代替エネルギーは様々議論されていますが石油ほど優れているエネルギーはありません。その石油が我々の手元に届かなくなる日が近づいてきているということです。今までのような暮らしができなくなるのです。

めばえ幼稚園は循環型社会に向けて真剣に取り組んでいます。それは子ども達の未来に対して強い危機感があるためです。それが温暖化であろうが石油危機であろうが、つまるところ我々人類が地球の限界を超えてまで自分達の欲望を満たそうとすることに起因していると思います。もう一度、人間の本当の幸せとは何か。子ども達の未来のために今何をすべきかを真剣に考え、行動に移さなければならない時期に来ていると思います。

東京を始めとする都市部では石油がなくなれば人が生きていくことは難しくなります。しかし、この金山であれば周りに森という木のエネルギーがたくさんあります。そして、森を暮らしに役立ててきた長い歴史と文化と知恵があります。私たちはこの金山の自然に守られ、その恵みの中で暮らしていくことの意義や有り難さをもう一度再確認する時期に来ていると思います。

この冬もきっと寒くなるでしょう。しかしいつまでも今のように灯油が使えるとは限りません。子ども達が寒さで苦しむような未来には絶対にしたくありません。それは私たち大人の最低限の責任だと思っています。