【 国際交流 】  2007.10.30

 スウェーデン・ウプサラ市からオパーレン幼稚園の先生4名をお迎えしました。皆さんとても気さくな方たちで遠くはなれた国の人とは思えないほど打ち解けることができました。それはやはり同じ子どもに関わる仕事をしている者同士の共通する感覚があるからでしょう。時には鋭く指摘や質問をされたりしましたが、全体としては全く違和感なく過ごすことができました。

 今回の来日は、オパーレン幼稚園の方からめばえ幼稚園の実践を学びたいという要望があり実現しました。金山町に来た初日は、町全体を理解していただくために、幼稚園を初め、保育園、明安小学校、片貝の岩円地蔵、有屋のカムロファーム、杉沢の暮らし考房、森の子ども図書コーナー、大堰近辺などを見ていただきました。その後、それぞれの園の活動を3時間にわたり紹介し合い、理解を深めました。

次の日は、めばえの収穫感謝祭に参加していただき、幼稚園のおじいちゃんやおばあちゃんと一緒にミニ運動会をしたり、お餅を食べていただきました。そして、この日の午後、これから先の交流をどのように進めていくのかを数時間にわたり議論しました。

 オパーレン幼稚園はスウェーデン教育庁より「持続可能な開発を行う幼稚園のモデル」として認証を受けており、そのために課題、目標、計画、活動プロセス、実践内容等を報告書にまとめて提出しています。今回もこの研修を終えて帰るとすぐに、報告書を作成し、保護者を含む環境委員会で発表するそうです。その内容で許可されると次に教育庁に提出し、そこで許可されて始めて、これからの研究を進めることができるということでした。

いよいよ会議の始まりです。まず初めに今回の目標を定めましょうということになり、参加している人が自由に意見を言うことになりました。僕は「なるべく多くの人が、なるべく親しく交流すること」と「共通のテーマを定めて共同研究すること」を提案しました。するとあちらの責任者のエリカからは「子どもや保護者も一緒に加わること」「教員の資質が向上すること」そして「教育方法に関する情報交換をすること」などの提案が加わりました。その他にもテーマに関する評価項目をどうするのか?「水」をテーマに共同研究してみては?など、いろいろな意見が出されました。

この議論を中心になって進めていたのはエリカでしたが、彼女は誰か一人が席を離れると「彼女が戻るまで待ちましょう」と言って全員が揃うまで待ちました。僕が途中で議論の論点をまとめるために一旦休憩して、リーダー同士で内容を整理しませんか?と提案しても「それでは議論の透明性に欠ける。みんなの合意の下に進めるべきだ」と一蹴されてしまいました。僕はこのエリカの会議の進め方の中に成熟したスウェーデンの民主主義を感じました。二人だけでこそこそと話したり、別室に行ったりなど、秘密めいた行動を極端に嫌います。全ての人が同じ情報の上に議論し、決定していくプロセス(課程)そのものを大切にしているのです。この徹底した民主的な態度に感銘を受けました。

最終的にテーマは「空気」に決まりました。そして今後1年間、この共通テーマの下にそれぞれが研究し合い、その結果をホームページ等で写真や絵を交えながら公開していくという方向でまとまりました。

その日の夜、谷口がっこそばで役員の皆さんや町の関係者などにお集まりいただき「さよならパーティ」をしました。会の終わりにエリカは泣いていました。皆さんの温かい歓迎に感動したことは勿論ですが、それ以上に彼女が今回のプロジェクト・リーダーとして抱えていた責任とこれから始まる交流に対する期待と不安。そんな様々な思いが彼女の心を駆け抜けたのでしょう。その涙を見た時に不思議と「この交流はうまくいくな」と直感しました。エリカをものすごく身近な存在に感じたのです。子どもの心に寄り添いながら生きている保育者としての彼女の本質を感じました。

言葉も違う、文化も違う、教育の方法も違うでしょう。でも違いだけを見てどちらが上か下かを比較し競い合うのではなく、互いに学びあうことはできます。違うということは悪いことではなく自分にない良い点を見つけ出すということです。だから我々も自信を持って自分達の持っている情報を発信します。逆にどんどんスウェーデンの良いところを学んでいきます。それが本当の国際交流だと思っています。

最後になりましたが、この度めばえ幼稚園が循環型社会形成に関する「環境大臣賞」を受賞いたしました。これは日頃より幼稚園の運営に最大限の協力をくださる保護者の皆様、町関係の方々、そして何より自然の中で遊ぶのが大好きなめばえの子ども達へのご褒美だと思います。「県知事賞」に続き「大臣賞」をいただくことができたので、次はいよいよ「ノーベル平和賞」です。スウェーデンの仲間と一緒にみんなでノルウェーのオスロに行って受賞しましょう。そんな途方もない夢を語り合い盛り上がるのも国際交流の楽しみですね。