【 スウェーデンの環境教育 】 2007.1.30
1月23、24日にかけてスウェーデンから講師をお招きして勉強会を開催しました。特に24日は幼稚園にお越し頂き「スウェーデンの環境教育」に関するお話を聞くことができましたので、ご紹介いたします。
<コーディネーター兼通訳のレーナ(左)とゴットランド市の環境政策担当のヘレナ(右)>
スウェーデンでも以前は日本のように教科書を使って詰め込み教育をしていましたが、現在は生徒と教師の責任を明確にしているそうです。まずは、教師がその子どもに3つの教育レベルを伝え、子ども自身がそのどれを選択するかを決めるところから始まります。
第1レベルは、一つひとつの基礎的なことが理解できる。
第2レベルは、部分的なつながりや関連性が理解できる。
第3レベルは、全体をイメージし、社会の中で果たす役割や影響が理解できる。
<この3つのレベルを教師が説明し、子ども自身が決める>
<3つの科目を自然科学として一つに統合>
次にごく簡単な事例から勉強が始まります。例えば、ガラスビンの中に土と植物を入れて蓋で密閉します。この閉ざされた小さな世界で一体何が起こるのかを子ども達自身が議論し、質問し合いながら答えを探していく中で、少しずつ生態系についての理解を深めていきます。このビンの中の小さな世界(Life in the Bottle)を理解することがやがてこの複雑に入り組む現実の社会や地球全体といった広い世界を理解するための第一歩になるのです。
<ビンの中の小さな命から地球環境へ>
また、スウェーデンでは11歳までテストを行わないそうです。ではどのようにして学力の評価をするのかといいますと、子どもの質問の中身からその子のレベルに応じた理解度を判断するそうです。
例えば「何ていう名前?」「何をするもの?」などの基本的な質問と「こんなことにも応用できないかな?」「実際の社会ではこんな影響を与えていない?」という質問では明らかに知識の質が違うことが分かります。このような質問の内容や質を通して教師は子どもの理解度や学力を把握していくのです。
<知識の質には違いがある>
そして中学生の最後には「もし100人で6,000年の間、宇宙旅行に出かけるとしたら、どんな宇宙船に何を積んでいきますか?」という問題が出されるそうです。初めはテレビ、ゲーム、ビデオ、パソコンといったものを持っていくと答えるのですが、次第に「冷凍ハンバーガーを一生食べるのはごめんだ」「空気は化学物質で作れるのか?」とか「一体なぜ、どこへ飛んでいくのか?」といった哲学的な意見まで出てくるそうです。そして最後には「本当に必要なものは何か」ということに気付き、植物、動物、土、温室、ゴミの循環設備など生きるために本当に必要なものを宇宙船に載せようということになるそうです。
<宇宙船に載せるモノが変化してくる>
これはまさに我々が今暮らしている「宇宙船地球号」そのものです。全体の中での自分の位置、目的、つながりが分かると「この世界を愛するようになる」というのです。
子ども自身がコースを決め、失敗しながらも学んでいく。教師は複雑なものを理解させるために、単純で小さなものからレベルにあった学習を進めていく。テストではなくそれぞれの子どもの質問から知識の質や理解度を測っていく。こんなところにスウェーデンの環境教育の秘密があるようです。 <新聞記事 PDFファイル>
<幼稚園の中を視察>
<園児用バスで移動>
<歓迎交流会の様子>