【お話づくり】

今、年長さんは、仲良しが数人のグループに分かれて、お話づくりをしています。それぞれが思い思いに空想を働かせて、ワクワクしながらお話をつくり出していきます。その中の一つをご紹介したいと思います。

「キリン、タカ、サルの冒険」 (男の子3人のグループ)

キリンさんが葉っぱを食べていました。タカはその上を飛んでいました。サルは木の上でブランブランして遊んでいました。

ある日、三人で島に冒険に行くことにしました。ヘビやゴリラやメガネザルのいるふしぎな島でした。三人はこの島にある宝物を探しに行くのです。

タカは空を飛んで宝物を探しました。サルは木に登って探しました。キリンは歩いて探しました。サルはアリさんに「アリさん、宝物はどこにありますか?」と聞きました。するとアリさんは「あっちです」と教えてくれました。三人はあっちに行ってみました。するとタカが「空の向こうに海が見えるよ」といったので、三人で行ってみました。そこにはカニさんがいたので、キリンさんが「カニさん、宝物はどこにありますか?」と聞きました。するとカニさんはそこの土を掘り始めました。そして、黄色いものが見つかりました。それはバナナの皮でした。みんなでもう少し掘ってみると、今度は黄色いピカンピカンの宝物が出てきました。三人は大喜びでした。そして、その宝物をみんなに分けてあげました。                    お・し・ま・い

なんだか楽しくて、それでいて心温まるお話ですよね。この他にも「どうぶつえん」「虫の話」「クリスマスのプレゼント」「おばけやしき」「こどものおどり」などなど、たくさんのお話がつくり出されています。でも、その一つ一つは決してすんなり出来上がったものではなく、仲間の中ですったもんだしながらやっと出来上がったものや、何日もかけてつくりあげたのに、もっと続きを考えたいと継続しているグループもあります。また、たくさんのお話をつくっていく中で、それを紙芝居にしたり、お面や道具をつくって劇にして遊びだす子どもたちも出てきて、遊びはさらに広がりと深みを帯びていきます。

私たちは、単に出来上がったお話の出来栄えに優劣をつけるのではなく、つくり上げていくプロセスの中で、自分の思いを言葉にしたり、仲間の話に耳を傾けたり、それによって一人で考えるよりも何倍ものイメージを膨らませることやそのイメージを仲間と共有して、劇や紙芝居という目に見える形にしていく、“遊びそのもの”を大切にしています。その中で、じっくりと時間をかけて、ひとりひとりが、仲間同士が、クラスのみんなが、それぞれの思いを仲間の中で発揮していく喜びを感じることを大切にしています。そこには、必ずわずらわしさやめんどくささが伴います。でも、そのわずらわしさやめんどくささを、すったもんだしながら乗り越えていく中にこそ、子どもが人として育っていくための本質が隠されていると信じているからです。

今、年長さんたちがつくっているお話は、来年の3学期には「世界に一冊しかない絵本」として、みんなの思いをギュ−ギュ−に詰め込んだ、飛び切りステキな“宝物”になって、子どもたちの手に渡ります。

21世紀も、今までと変わらぬ人間臭い幼稚園でいたいと思っています。