【BDF(バイオ・ディーゼル・フューエル)について】
子ども達の未来のために、地域循環型社会を実現する

金山町の給食センター、ホテル、飲食店等の事業所から出されている廃食油は、年間10,000リットルを越えていますが、それらは産業廃棄物として有料で回収されるか、固めて燃えるゴミとして捨てられるか、またはそのまま下水に捨てられています。

そこで、現在無駄に捨てられている事業所系廃食油の約半分(5,000リットル)と園児の家庭から集められる廃食油を回収し、BDF (バイオ・ディーゼル・フューエル)という軽油に相当する燃料に変換して、幼稚園バスを運行させるという取り組みを始めました。ただ、それだけではなくて「かねやま新エネルギー実践研究会」とナタネの栽培、「ナタネ油の製造」、そしてその油を地元で料理に使った後に回収するという、畑から始まる地域循環型自給エネルギーシステムも同時に創り上げています。

 

何故、幼稚園がこのような取り組みをするのかを一言でいうと「子ども達の未来のために」ということになります。

近い将来、石油による大量生産消費の時代には終わりを告げなくてはなりません。そして、その次の時代は、この地域内で食べ物やエネルギーを循環させる中で自立的、自給的に生きていく時代であると考えています。そうでないとこの地球が持たなくなってします。いや子どもも大人も肉体的、精神的に持たなくなってしまうのではないかと感じています。

競争から共生へ、経済から環境へ、奪い合いから分かち合いへ、価値観をシフトしていきたい。その初めの一歩として「目に見えるモデル」示したいのです。

これからの未来を生きる幼い子ども達をお預かりしている幼稚園から社会に向けて「このままでは子ども達がだめになっちゃうよ」「新しい社会を、循環型の社会を、人と自然に優しい社会を、子ども達の未来のために一緒に創っていきましょう」というメッセージを送り届けたいのです。

私の一方的な思い込みかもしれません。しかし世の中全体が今のままではいけない、何とかしなければいけない、という雰囲気に包まれていることは確かだと思います。その打開に向けた一つの選択枝が「地域循環型社会をこの金山町に実現させる」という取り組みなのです。

今の子ども達を見ていると「夢が持てない」のではないとつくづく思います。それは「我々大人自身に夢が無い」からです。これからの社会を自分達の力で作り上げていくぞ、という気迫が無いのです。大人の側に無いのです。これでは子どもに夢を持てとは言えません。

自分が一人の人間としてできることをやる。大人である自分ができる範囲で行動を起こすことが大切です。成功するか失敗するかではなくて、大人が真剣に取り組んでいる姿やその取組みが目指す方向をしっかりと示すことが本当の教育であり、子ども達もそのような大人の姿を望んでいると思うのです。

めばえ幼稚園がかねやま新エネルギー実践研究会と共に取り組む「地域循環型社会の実現」を子ども達と共に、園児のご家庭のみなさんと共に、そして地域のみなさんと共に、創り上げていけたらこんなに嬉しいことはありません。

木質ペレット・ストーブについて】

金山町には豊富な森林資源がありますが、残念ながらその全てを無駄なく使い切っているとは言えません。例えば除間伐された木の幹や枝などはそのまま残材として山に放置されたり、製材所から出てくる木の皮やおが屑、鉋屑などもただ同然で取引されたり、捨てられたりしています。

そこでそれらの木屑を有効活用するために作られたのが木質ペレットです。この木質ペレットは木屑を粉砕して圧力をかけ、もともと木が持っているリグニンという成分によって固められたものなので、合成接着剤等は一切使わずに、純粋な木の成分だけで作られています。ですから薪ストーブと同じように有害な物質を含んでいないため、燃焼後の灰もワラビのアク抜きや優良なカリ肥料として田畑に戻すことができます。

さらに木が成長する段階でCO2を固定化するので、地球温暖化防止にも効果があり、冒頭に述べたように森林資源の有効活用という点でも優れているため、近年注目を集めている燃料です。

今回、職員室で使っていた灯油ストーブが壊れたことをキッカケにこの木質ペレット・ストーブを導入しました。

木質ペレットはオーストリアやスウェーデンを初めとするヨーロッパ諸国ではすでに広く普及していて、殆ど灯油ストーブと代わらない性能を持つタイプも商品化されていますが、ここはやはり地元山形県産のものを利用しなくてはいけないということで山本製作所という農機具メーカーが30年ほど前から販売している、昔のダルマストーブと同じ原理でストーブ本体を熱くして暖める一番シンプルな機種を購入しました。

価格は本体、煙突、設置費を含めて約20万円と高めですが、「地域循環型社会の実現」に向けて思い切って導入しました。ちなみに燃料の木質ペレットは300円/10kg袋で朝から晩まで焚いて一日2袋程度です。原油高騰の折、灯油も価格が上がっていますので、ランニングコストはそれほど高くはならないと考えています。

保育室のボイラーが壊れて交換する時がきたら、木質ペレット・ボイラーの導入も検討したいと思います。実際に岩手県の住田町の保育園では木質ペレット・ボイラーで床下暖房をしていました。

木の燃える炎を眺めながら、柔らかな暖かさを放つストーブの脇で生活できる幸せを感じています。